6月2日(月)、名古屋市中区・栄ガスビル5Fにて「ITSあいち県民フォーラム2014」が開催された。テーマは「オープンデータ・ビッグデータの利活用の推進と安全・安心な愛知づくり」。基調講演では三菱総研・村上文洋氏が登壇したほか、経済産業省中部経済産業局、三重県、株式会社パスコの三者による事例報告がそれぞれ行われた。
【基調講演】
「オープンデータ」「ビッグデータ」がどのような社会変化を起こすのかについて、分かりやすい実例を挙げながら解説。2013年6月に閣議決定された「世界最先端 IT 国家創造宣言について」では、公共データの民間開放を推進することで、オープンデータの利用ニーズ喚起や新しいビジネスモデルの構築推進が明言されている。オープンデータ推進のための環境整備や取り組みを通じて、私たちの暮らしや世界の変革につながる様々な具体事例が紹介された。
【事例報告】
日本が推進するIT戦略(世界最先端 IT 国家創造宣言、等)と、中部地区におけるIT戦略「中部IT融合」というキーワードを軸に、ビジネス展開における経産省のポリシーと具体的なサポート業務が紹介された。ビッグデータ・オープンデータ取り扱い時のプライバシー情報の取扱いガイドライン整備等、行政による環境整備が急がれており、また実際にオープンデータを活用した民間事例報告も行われた。
三重県の行政トップである鈴木知事はオープンデータ利活用に積極的なIT通だが、講演では三重県の名所、特産品PRや地域振興におけるオープンデータ活用事例が紹介された。まだ課題も多く、実際の利活用はまだまだこれから、といった印象ではあるものの、オープンデータ・ビッグデータ利活用推進協議会等を通じた三重県の今後の取組みに注目していきたい。
地理空間情報(測量)技術&処理技術を通じて情報サービスを行う(株)パスコ。行政が保有する様々な公共情報がオープンデータ化されることで、いままでにない、まったく新しい情報サービス提供の実証実験が紹介された。また民間企業が保有するビッグデータも取り入れて処理することで、さらに精緻な情報サービスをエンドユーザーに提供していこうとする同社の姿勢が分かりやすく紹介された。
【安原武志(DAYS Inc.)】
↧