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トヨタは2013年9月9日、3.5リッターV6ハイブリッドシステムを搭載した新型「クラウンマジェスタ」を発売した。名古屋での発表会が行われたミッドランドスクエア(名古屋市中村区)からリポート。
クラウンより全長&WBを延長
初代クラウン マジェスタは1991年にクラウンシリーズのトップモデルとして、またセルシオとクラウンの中間に位置するモデルとして登場。日本国内でレクサスが始まった2005年以降は、トヨタブランドの最高峰セダン(センチュリーを除く)となったが、近年はレクサスとクラウンの狭間で、立ち位置がやや曖昧になっていた。
そこで、4年ぶりのフルモデルチェンジで登場した6代目は、「マジェスタの立ち位置をトップ・オブ・クラウンであると明確にするモデル」(山本卓エグゼクティブチーフエンジニア)として開発。
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左はトヨタ自動車の佐藤康彦常務役員、右は山本卓エグゼクティブチーフエンジニア
具体的には、クラウンをベースとしながら、ホイールベースを75mm延長して2925mmとし、全長を5メートル弱(4970mm)としたロングボディを採用。同時に取り回しにも配慮し、全幅を現行クラウンと同じ1800mm、最小回転半径はクラウン比+0.1メートルの5.3メートルに抑えている。これらのボディサイズは、先代とほぼ同等。
外観デザインは現行クラウンのロイヤルによく似たものだが、フロントグリルは角度を立てて、縦バーを強調。さらに4灯式LEDヘッドライトや、随所にメッキパーツを採用したほか、前述のホイールベース延長による伸びやかなボディ(リアドアを前後に拡大)などを特徴とする。フロントグリル奥にはオーバークールを防ぎ、低燃費に貢献する電動グリルシャッターが設けられた。
全車3.5リッターV6のハイブリッド車に
パワートレインは、先代までのV8エンジンを廃止し、新たに3.5リッターV6(292ps、36.1kgm)+モーター(200ps、28.0kgm)のハイブリッドシステムを採用した。これは先代クラウンハイブリッド用システムの改良版とも、現行GS450h譲りとも言えるもの。システム出力は、先代マジェスタの4.6リッターV8(347ps)に匹敵する343psを発揮する(ちなみに先代クラウンハイブリッドは345ps、現行GS450hは348ps)。
一方で、JC08モード燃費は、先代マジェスタの倍となる18.2km/L(GS450hと同値)を達成し、先代クラウンハイブリッド(14.0km/L)と比べても3割優れる数値とした。なお、駆動用バッテリーは、コストや信頼性の点で有利なニッケル水素を従来通り使用する。
目標は月間500台。価格は610万円~
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先代同様トランクスルーはなし。トランク奥に駆動用バッテリー、床下に鉛バッテリーを搭載する。ゴルフバッグ4個を収納可能とのこと
これまで通り、生産はトヨタ自動車本社の元町工場(愛知県豊田市)で、販売チャンネルはトヨタ店。月販目標は現行クラウンの8分の1、先代マジェスタ(発売時)の半分となる500台。すでに受注は1000台ほど入っているという。トヨタとしては、昨年末に発売されたクラウンが法人需要を中心に好調であることから、新型マジェスタにも期待しているとのこと。
価格は標準仕様が610万円。本革シート(レスオプションも可能)、プリクラッシュセーフティシステム等を標準装備した“Fバージョン”が670万円。
デイズのコメント
あくまでも新型クラウンマジェスタではあるが、実質的には先代クラウンハイブリッド(価格は新型マジェスタと大差ない600万円前後だった)の後継モデルでもあり、両者を統合したモデルのようにも見える。GS450hはいろんな事情で選べないが、現行クラウンハイブリッドの2.5リッター直4ハイブリッドには物足りなさを覚える、というユーザーには、ちょうどいいモデルかも。