7月26日(金)、名古屋市中区・名古屋ガーデンパレスにて、愛知県ITS推進協議会の平成25年度講演会・総会が開催された。
講演テーマは「ITSの最新動向とITS世界会議東京2013」。特定非営利活動法人ITS Japan会長・渡邉浩之が登壇した。
交通社会の負の側面である交通事故について、国は平成30年をめどに交通事故死者数を2,500人以下とする目標を掲げている。このかなり高いハードルを超えるためにはITSが不可欠、と渡邉氏は強調する。例えば運転状況に応じて高度運転支援と自動運転を切り替えるアプローチ手法など、まさに最新のITS技術が強く期待されているものだ。
また、コンピュータの加速度的な性能の進歩について、その恩恵を実社会に取り込んでいく際(これを「サイバーフィジカルシステム」と呼ぶ)、まず注目すべき実社会での対象は“クルマ”だと思う、と渡邉氏は語った。
さらに、2年前の東日本大震災の際、各自動車メーカーが持つプローブ情報を集約したITSジャパンの取り組みも紹介された。その当時はまだビッグデータという言葉に馴染みは薄かったが、被災地の通行可能道路がひと目で把握できるその地図は、まさにビッグデータを有効活用した好事例と言えるだろう。
今年10月、東京・ビッグサイトで「ITS世界会議」が開催される。テーマは「Open ITS to the Next」。すぐそこまで来ている私達が住む近未来の社会を、どう変革していくか。会場には世界中のITS関係者が一同に集い、熱い議論が交わされるほか、多彩な出展ブースもお目見えする予定だ。ふだんあまりITSには興味ないという方も、この機会にぜひ。開催は10月14日から18日まで。
【安原武志(DAYS Inc.)】
