Quantcast
Channel: MOTOR DAYS 最新コンテンツ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1480

BMW アクティブハイブリッド 3:新車試乗記

$
0
0

キャラクター&開発コンセプト

3リッター直6ターボのハイブリッドカー

BMW アクティブハイブリッド 3 (photo:BMW ジャパン)
欧州では2011年秋に、日本では2012年1月に発売された6代目3シリーズ(セダンはF30型、ツーリングはF31型)は、今年6月に5ドアクーペの「3シリーズ グランツーリスモ」(F34型)が仲間入りするなど、急速にバリエーションを拡大中。その中から、今回遅ればせながら試乗したのは、昨年7月に発売されたハイブリッドモデル「アクティブハイブリッド 3」。
 
パワートレインは、335i譲りの3リッター直6ターボエンジン(306ps、40.8kgm)に、モーター(54ps、21.4kgm)、8速AT、リチウムイオン電池を組み合わせたもので、基本的には先にデビューしたアクティブハイブリッド5(2012年3月発売)と同じもの。システム最高出力は340ps、システム最大トルクは45.9kgm(450Nm)という、ハイパフォーマンス志向のハイブリッドカーだ。 また、75km/hまではモーターによる走行(EV走行)もできるほか(アクティブハイブリッド5は60km/hまで)、80km/h以上の巡航中にエンジンを切り離して走る、いわゆるコースティング走行も可能になっている。 ■過去の新車試乗記【BMW 3シリーズ F30型】BMW 320d ブルーパフォーマンス (2013年1月更新)BMW 328i (2012年4月更新)
 

価格帯&グレード展開

「ハイブリッド代」はタダ? 699万円からスタート

こちらは6月に発売された3シリーズ グランツーリスモ。ただしツーリング同様、ハイブリッドモデルはない (photo:BMW ジャパン)
アクティブハイブリッド 3はセダンのみ。他の3シリーズセダン同様、内外装の仕様別に、標準、スポーツ、モダン、ラグジュアリー、Mスポーツの4種類がある。ハンドル位置は左右あり、価格は699万~745万円。 ちなみに、セダンの320iは439万円~、328iは570万円~、ディーゼルの320dは470万円~。ツーリングやグランツーリスモにある335iがないのは、セダンだけ同じ3リッター直6を積むハイブリッドがあるから。 ちなみに、純ガソリンの335i ツーリングは714万円から、335i グランツーリスモは730万円からで、同じパワートレインのアクティブハイブリッド5は850万円。こうしてみるとアクティブハイブリッド 3がかなりお買い得に見える。 ■BMW ActiveHybrid 3    699万円 ■BMW ActiveHybrid 3 Sport / Modern / Luxury  719万円 ■BMW ActiveHybrid 3 M Sport  745万円 ※今回の試乗車
 

パッケージング&スタイル

ボディサイズはレクサス IS300hと互角

試乗したのはM スポーツ仕様。外観は320iや328i、あるいは320d(のM スポーツ)とほぼ同じで、トランクリッドとCピラーに「Active Hybrid 3」とエンブレムが入る程度(グレードによってはハイブリッド専用アルミホイールが装備される)。
 
ボディサイズは、昔の3シリーズに比べれば大きくなったが、輸入車の「高級」ハイブリッドセダンとしてはコンパクトな部類。サイズ面ではレクサス IS300hが近い。
 
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
BMW アクティブハイブリッド 3 4625 1800 1440 2810 5.4
レクサス IS300h 4665 1810 1430 2800 5.2
トヨタ クラウン ハイブリッド(2013-) 4895 1800 1450-1460 2850 5.2
BMW アクティブハイブリッド 5 4910 1860 1475 2970 5.7
ホンダ アコード ハイブリッド 4915 1850 1465 2775 5.7
アウディ A6 ハイブリッド 4930 1875 1465 2910 5.7
日産 フーガ ハイブリッド 4945 1845 1500 2900 5.6
 

インテリア&ラゲッジスペース

インパネは限りなくガソリン車に近い

ガソリン車との違いは、専用メーターや専用エンブレムくらい
インパネまわりは、普通の3シリーズをベースに、ハイブリッド用に少しだけモディファイされたメーターや専用エンブレムを装備したもの。エンジン屋のBMWらしくタコメーターは残されていて、エンジンが掛かっているかどうかはその針の動きで知ることができるし、減速エネルギーの回生状況はその下の、いわゆるパワーメーターで知ることが出来る。ハイブリッドシステムの作動状況を示すエネルギーフローは、ダッシュ中央のメインディスプレイに表示可能。
 
今や3シリーズでも後席スペースは十分。シート下にはつま先もしっかり入る
M スポーツを含めて全車クロスシートが標準だが、試乗車はオプションのダコタレザー(ベージュ)
運転席正面のメーターはほぼガソリン車と同じ。一部をハイブリッド用に変更
 

トランク容量はガソリン車の8割を確保。トランクスルーも可

トランク容量は390リッターを確保。ガソリン車より2割しか減っていない
ハイブリッド車の場合、トランク容量は大幅に減りがちだが、アクティブハイブリッド 3は駆動用バッテリーを高効率のリチウムイオンとし、さらに3シリーズの開発段階からハイブリッドカーの設定を織り込むことで、390リッターを確保。床は高くなったが、ガソリン車(480リッター)の90リッター減にとどめており、見た目もそんなに狭い感じがしない。しかも、3分割可倒式の背もたれでトランクスルーも可能と、使い勝手も良くなっている。 ちなみにアクティブハイブリッド5の場合、容量はガソリン車比で145リッター減の375リッターで、トランクスルーも不可になる。
 
床下収納スペースはファーストエイドキットが入る程度
駆動用リチウムイオンバッテリーはトランクルーム床下に配置 (photo:BMW ジャパン)
後席背もたれは4:2:4の分割可倒式で、トランクスルーが可能
 

基本性能&ドライブフィール

ECO PRO モードで、積極的にEV走行

パワートレインはアクティブハイブリッド5譲り
運転席に乗り込み、スタートボタンを押しても、エンジンは掛からない。ブレーキを離すとモーターの力でスルリと動き出す。 ミッションは8速ATだが、アウディA6 ハイブリッド同様、トルクコンバーターは省かれ、代わりに駆動用モーター(最高出力54ps、最大トルク21.4kgm)と電子制御クラッチが組み込まれている。発進は主にモーターで行い、その後すぐにエンジンが回り出す、という感じ。坂道発進では一瞬、後ずさりしがちだが、平坦なところなら問題ない。
 
シフトセレクターもガソリン車と共通。ボタンを押してP(パーキング)に入れるところなど、少し慣れが必要
ドライビング・パフォーマンス・コントロールと呼ばれる走行モードの切り替えは、「スポーツ・プラス」(M スポーツなどのみに装備)、「スポーツ」、デフォルトの「コンフォート」、そして燃費優先の「ECO PRO」モードから選べるが、エンジン始動後は必ずコンフォートから始まる。しかしそれだと割とすぐにエンジンが掛かってしまうので、ハイブリッドらしさを味わうなら、すかさずECO PROモードを選びたい。そうすれば、じわりとアクセルを踏む限り、低速ではプリウスのようにモーターで走ってくれる。

システム最高出力は340ps

ドライビング・パフォーマンス・コントロールの切り替えスイッチ。燃費優先ならECO PROモードを選ぶ
加速時は、今やBMWでもすっかり貴重なストレートシックスの、3リッター直列6気筒ターボエンジンが速やかに掛かり、もっぱらエンジンで加速を行う。ちなみにBMWでは近年、同社のターボエンジンを、「BMWツインパワー・ターボ・エンジン」と呼んでいるが、少なくともアクティブハイブリッド 3のエンジンはいわゆる“ツインターボ”ではなく、ツインスクロール式のシングルターボ。先代(E90型)の335iはツインターボだったので少々ややこしい。エンジン単体の最高出力と最大トルクはツインターボの頃と数値自体は変わらず、それぞれ306ps、40.8kgm(400Nm)。 試しに、全開加速してみると、速い速い。フォーーーンという澄み切った直6サウンドをかすかに響かせながら、荷重がガシッとかかった後輪でアスファルトを蹴り、超スムーズにダッシュする。エンジンとモーターを合わせたシステム最高出力は340ps、システム最大トルクは45.9kgm(450Nm)と、5リッターV8エンジン並み。A6 ハイブリッドの245ps、49.0kgm(480Nm)と比べて出力では上回り、車重はクラスが一つ上のA6 ハイブリッド(1850kg)より110kg軽い1740kgに収まっている。0-100km/h加速性能も5.3秒(欧州仕様)と、A6 ハイブリッドの7.5秒より大幅に速い。
 
ダッシュ中央のモニターには「スポーツ ディスプレイ」モードも用意。発生中の出力やトルクをリアルタイムで表示する
とはいえ、体感的には数値ほどの差はなく、どっちも速く、どっちも超スムーズ。タイム的に大きく差が付いたのは、トラクションの点でアクティブハイブリッド 3に分があるからだろう。また、エンジンの存在感や個性はアクティブハイブリッド 3の方が強く、逆にA6 ハイブリッドの方がハイブリッドカー(いわゆるHEV)っぽい感じがする。 ちなみに、モーターのスペック(最高出力や最大トルク)、トルコンレス、8速AT(ZF製)、リチウムイオン電池といった要素は、アウディ A6 ハイブリッドと共通。実はいずれもZFが提供するハイブリッドモジュールをベースしているからだ。

高速走行中でもアクセルオフでエンジン停止

タイヤはランフラットが標準。試乗車(M スポーツ)はピレリのチントゥラート P7 ランフラット
M スポーツなのに乗り心地はものすごくいい。と思ったら、アクティブハイブリッド 3の場合は、M スポーツでもスポーツサスペンション(アダプティブ M サスペンション)はオプションだった。ハイブリッド化で車重が増えたせいか、5シリーズもかくやというくらい、しっとり走る。 静粛性については、エンジン音を適度に聴かせる方向で、無音を目指したような静かさはないが、耳障りな音は一切ない。また、ロードノイズもほとんどなし。ノイズが気になりやすいハイブリッドでは重要なところ。
 
EV走行中のエネルギーフローメーター (photo:BMW ジャパン)
ワインディングでは、まさにいつものBMW、いつもの3シリーズ。ドライバーの思った通りにクルマが動くし、先に書いた通りバッテリーの搭載でリア荷重が増えている分、トラクションもよく掛かる。ガソリン車に比べてエンブレが効きにくい点(パドル操作によるシフトダウンも思ったようにいかない)が少し気になったが、上手な人ならアクセル一つで自在に操れそう。 80km/hくらいで8速トップに入り、100km/h巡航は1500回転ジャストでこなす。いわゆる「EVモード」スイッチはないので、加速時にはエンジンが掛かるが、ECO PROモードなら速度にして75km/hまで、距離にして最長3~4kmまでEV走行が可能とのこと(なかなか再現できないが)。また、同じくECO PROモードなら、80km/h以上から160km/hまで、アクセルをオフにすれば自動的にクラッチを切り、エンジン停止状態でコースティング走行する。こちらは簡単に体験可能で、エンジンが止まっていることはタコメーターの針で分かる。
 
    エンジン モーター システム
出力(ps)
JC08
モード
燃費(km/L)
最高出力(ps) 最大トルク(kgm) 最高出力(ps) 最大トルク(kgm)
トヨタ プリウス(3代目) 99 14.5 82 21.1 136 30.4~32.6
レクサス HS250h 150 19.1 143 27.5 190 20.6
ホンダ アコード ハイブリッド 143 16.8 169 31.3 199 30.0
トヨタ クラウン ハイブリッド
レクサス IS 300h
178 22.5 143 30.6 220 23.2
アウディ A6 ハイブリッド 211 35.7 54 21.4 245 13.8
BMW
アクティブハイブリッド 3
306 40.8 54 21.4 340 16.5
BMW アクティブハイブリッド 5 306 40.8 54 21.4 340 13.6
日産 フーガ ハイブリッド 306 35.7 68 27.5 360 16.6
レクサス GS450h(2012-) 295 36.3 200 28.0 348 18.2
 

試乗燃費は9.9~12.7km/L。ハイブリッドによる燃費向上は3割くらいか

タンク容量は57リッター(ガソリン車より3リッター少ない)で、指定燃料はもちろんプレミアム
今回は約200kmを試乗。参考までに試乗燃費は、一般道から高速道路、ワインディングまで、いつものパターンで走った区間(約90km)が9.9km/L。また、郊外の一般道を大人しく走った区間(約30km)が12.7km/Lだった。また、走行区間が20kmと短いので、やはり参考程度だが、高速走路での80~100km/h巡航時は16km/L台を確実にキープした。 JC08モード燃費は16.5km/L。これは純ガソリン車の320i(16.4~16.6km/L)と同等で、328i (15.2km/L)よりは1割ほどよく、また、335i ツーリング(12.7km/L)や335i グランツーリスモ(12.5km/L)より3割ほどいい数値。車重は両335iとほぼ同じなので、ハイブリッド化による燃費向上は3割ほど、だろうか。 なお、燃費、燃料費、そして航続距離で言えば、320dの圧勝。燃料は軽油になるし、JC08モード燃費は19.4km/Lで、モーターデイズの試乗燃費でも13.9~18.2km/Lと良かった。そもそも車両価格からして230万円も安いから、経済性では考えるまでもない。
 

ここがイイ

ガソリン、ディーゼルと並ぶ完成度など

3シリーズという一つのモデルで、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3種類のパワートレインが選べること。それでいて、どのモデルもクラスベストと言えるくらい完成度が高い。 予めハイブリッドの設定を前提にして、現行3シリーズ自体が設計されているため、電池が床下に収納されており、トランク容量やトランクスルーといった積載性がガソリン車に比べてそれほど遜色ないこと。これならHVのツーリングも出せそうだ。 3シリーズはサイズ的に日本でも使いやすい。カジュアル感もフォーマル感もあって、ジェントルにも超スポーティにも走れる。むろんプレミアム感もある。でもって燃費もそこそこいい。そんな日本車はあまりないので、輸入車がどんどん売れることになる。2013年上半期、輸入車販売は前年比12.6%も伸びているのだ。

ここがダメ

エンジン始動の度に「コンフォート」モードに戻ってしまうこと

常にハイブリッドカーらしい走りを味わおうとすると、エンジンを始動する度にECO PROモードを選択しなければいけないのは面倒。最後に選択していたモードで、エンジン始動後も始まるという方法にするか、あるいはそういう方法をiDriveの車両設定画面で選択できるようにして欲しい。これは純ガソリン車や320dでも同じ。 ミリ波レーダーを使ったACCや衝突軽減ブレーキは、328iにはオプションで用意されているが、アクティブハイブリッド3には未設定。これほどの高級車なのだから、ハイブリッドにも設定(できれば標準装備)して欲しいところ。また、iDriveは以前も書いたように、ずいぶん改良されて使いやすくはなったが、スマホやタブレットPCのように直感的な操作性ができるわけではなく、そろそろ新しい提案が欲しいところ。 先週のアウディA6 ハイブリッドもそうだったが、あまり広報・宣伝が行き届いていないと思われるのは残念。「走り」がハイブリッドの意義の一つであるということが、もうちょっと一般化するといいのだが。

総合評価

ハイブリッドでも走りがウリ

GMとホンダが次世代燃料電池システムを共同開発をすることになった。トヨタはすでにBMWと組んでいる。「走りにこだわる」点と企業規模の面で印象が似ているホンダとBMWが、それぞれ別の巨大メーカーと組む、という図式となった。ホンダの広報資料によると、燃料電池に関する米国特許は、ホンダとGM両社で1200以上保有しているそうで、両社はクリーン・エネルギー特許成長指数で1位、2位にランキングされるとのこと。特許数は燃料電池技術開発の重要ポイントだと思われるから、この連合はかなり強力なものになりそうだが、そうなるとトヨタ・BMW連合は大丈夫か、とちょっと心配になったりする。 先回も書いたが、ハイブリッドに関してはトヨタが世界をリードしてきた。それはおそらく、多くの特許を押さえたことが大きいのだろう。トヨタと違う方式で高性能なハイブリッド車を作ることは、相当に難しい話になってしまったはず。先回試乗したアウディ A6 ハイブリッドも、今回のアクティブハイブリッド3も、いずれもZF製の8速ATを使うように、エンジンや電池、制御関係を除いた部分、つまりモーター・ミッション部分はZFが開発したものを使っている。この方式のハイブリッドシステムは、燃費第一のシステムというより、どちらかと言うと出力面や燃費面でエンジンを「補助」するタイプのもの。ということで、走りがウリの3シリーズでは、今や貴重なフラッグシップエンジンの一つである直6ターボをさらに補助、というより補強するものとしてモーターが使われている。
 
あくまで走りにプライオリティを置くBMWのこと、スタート時のトルク感などエンジンと過給器だけでは足りない部分をモーターが積極的に介入して支えることで、さらに強力な「走りの実感」を産み出している。3シリーズの素晴らしい走行特性をモーターのアシストによって、さらに一段高みへと持ち上げているわけだ。リアに電池重量分だけ荷重がかかることもあって、その走りは「こりゃ面白い」と素直に脱帽。ボディサイズもコンパクトにまとまっているだけに、これぞコンパクトスポーツセダンの頂点といえるのでは。

主役はエンジンか、あるいはハイブリッドか

走り、走りといっても、そこはハイブリッドゆえの恩恵もあり、必要でないときには積極的にエンジンの稼働を止めることで、効率的なエンジンマネージメントを行い、結果的には燃費も悪くない。なにせ、圧倒的なパワーや、直6ならではのスムーズさを備えながら、我々の試乗燃費ではBMW 328i(2リッター直4ターボ)と大差ないのだから。 つまり欧州車が行う燃費対策としては、ダウンサイジングエンジン+多段AT/DCTという流れがメインにあり、そこにプラスするものとしてハイブリッドシステムというものがあるわけだ。価格的にはもちろんハイブリッドがうんと高くなるのだが。いずれにしてもこの場合の主役はエンジン。これに対して、ライバル車の一つとなるレクサス IS300hの主役は、エンジンではなく、またモーターでもなく、ハイブリッドシステムと言えるかもしれない。
 
つまり、BMWのハイブリッドは「エンジン」が感じられるので、旧来からのクルマ好きにはたいそう好まれるだろう。逆に言えば、今後クルマの主流となるだろう「モーター感」は薄いだけに、その点では古典的でもある。シリーズ・ハイブリッド車や燃料電池車を含めたEV(駆動はモーターのみ)の時代を期待する人には、今さら感があるかもしれない。 しかし、好きか嫌いかと問われれば、その挙動を含めて、クルマってやっぱりこれでしょ、と思ってしまう。早ければ3年後にも出るという量販型燃料電池車の前後荷重バランスは、いったいどうなっているのだろうか。トヨタがBMWと組んだのは、ハイブリッドカーや燃料電池車でも走りを、という声に応えるため、でもあるのかもしれない。しかしながら、「まずは走り云々よりCO2を出さないこと」だとも思うので、クルマ好きが納得するものが出るまでは、そのあと10年、いやそれ以上かかるかも。となれば、それまではこのクルマで、モーターが助ける「最後の直6エンジン」(かどうかは分からないが)を存分に楽しんでいたいと思う。だってこんなによく走って実燃費が10km/L前後なんだから、CO2大魔王も許してくれるだろう。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1480

Trending Articles