Quantcast
Channel: MOTOR DAYS 最新コンテンツ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1480

「人とくるまのテクノロジー展 2014 名古屋」 レポート:MOTOR DAYS ピックアップニュース

$
0
0
日本最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2014 名古屋」(主催:公益社団法人自動車技術会)が2014年12月11日(木)、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開幕した。自動車メーカーや部品メーカーなど、197社による一般展示のほか、特別講演、電気自動車の試乗会などが行われる。開催は12日(金)まで。初日の様子を駆け足で紹介。

中部地区では初の開催

同展は1992年に横浜で始まり、今年5月にも横浜で出展491社で開催されているが、中部地区では今回が初。地元のトヨタをはじめ、主要自動車メーカー、大手サプライヤーが出展したほか、「モノづくりニッポン ~自動車技術を支えるオンリーワン技術~」と題した企画展示では、高度な技術を持つユニークな部品メーカーや自動車関連機器メーカーが数多く集まった。 入場者は自動車関連メーカーや官公庁・民間研究機関の研究・技術者だけでなく、自動車技術に関心がある一般も対象。モーターショーのような派手な演出や展示はないが、技術に特化した展示が行われており、個々の技術や製品について深く知ることができる。
 
新型レジェンドのツインモーターシステム(カットモデル)
ホンダはすでに発表されている新型レジェンドを展示し、そのハイブリッドシステムやSH-AWDシステム、後輪を駆動するためのTMU(ツインモーターシステム)、運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」等を訴求する内容。せっかくの機会なので、説明員の方に「EV走行時、レジェンドのフロントモーターはなぜ駆動に参加しないのか」と質問すると、構造的にはEV走行時のフロントモーター駆動も可能だが、リアモーターだけでも十分な駆動力が得られる。また、フロントモーターを駆動させるとバッテリーの消耗が早く、効率面でメリットがない、という説明があった。
 
トヨタブースのMIRAIは人だかりで近づけず
トヨタブースの主役はやはり燃料電池車のMIRAI(ミライ)で、展示車が人影で見えないほど盛況。ここでは説明員の方を捕まえて、個人的に疑問だった「なぜミライの二次電池はリチウムイオンではなく、ニッケル水素なのか」を質問。「現時点では出力型ではなく容量型の電池として考えると、特性やコスト面でニッケル水素で十分という判断です」という、至極まっとうな答えが返ってきた。その説明員の方によると、よくある質問だそうだ。
 
こちらはトヨタ系の大手サプライヤー、JTEKT(ジェイテクト)のブース。世界初の電動パワーステアリングは意外にもスズキ セルボ(1988年)だったとのこと。開発したのはジェイテクトの前身の一つである光洋精工
マツダブースでは、新型デミオを展示し、マツダが推進する「ヘッズアップコックピット」などを訴求。ここでは、デミオに採用されている電動ヘッドアップディスプレイ(アクティブ・ドライビング・ディスプレイ)について「なぜ走行時に格納出来ないのか」を質問。答えは、水平に倒れるタイプなので、フロントガラスに映り込みが出るからとのこと。昇降式やフロントガラス投影式はスペースやコスト面で難しいという。
 
こちらはニコンのブース。独自の3D形状計測機器などをデモンストレーションしていた
小規模メーカーのオンリーワン技術を展示する各ブースは、一日では見切れないほど多彩で、ディープな世界。薄肉真円加工技術(中農製作所)、世界初の量産化マグネシウム合金ねじ(丸ヱム製作所)、世界最小チェーン(オリエンタルチエン工業)、超深絞りプレス加工(富士金属)などなど、数多くのブースが並んだ。

屋内では小型EVモビリティの試乗会

トヨタ i-Road。インホイールモーター2個による前輪駆動の3輪車。欧州仕様は2人乗りだが、日本仕様は1人乗り。豊田市などで実証実験中
別棟の一号館屋内では、電動小型モビリティの試乗会を開催。車体を傾けてコーナリングするトヨタのi-Road、日産のNew Mobility Concept、ホンダのMC-β(ベータ)、トヨタ車体のコムスなど、すでに公道で実証実験を行っている原付ないし軽規格の車両が揃った。 試乗希望者が多かったため、今回試乗は出来なかったが、まだまだプロトタイプ然とした独創的な工夫や、パーソナル性の高さが魅力的。法規制に関係するデフロスターの装備や、乗車人数の設定(1名か2名かなど)、インフラとしての駐車場(どこに駐めるか?)など、法的整備や社会環境などの課題はあるが、すでに公道を走行しているという点で現実味が感じられた。
 
ガルウイングドアがカッコいい日産 New Mobility Concept。左奥(白)のホンダ MC-βは軽規格で2人乗りになる。いずれも公道で実証実験中
あいにくの雨だったが、屋外では電動自動車の試乗会も行われた。トヨタ MIRAIのほか、電気自動車のBMW i3、日産 リーフ、三菱 i-MiEV、そしてプラグインハイブリッド車のホンダ アコード PHEV、アウトランダー PHEVというラインナップ。人気はやはりMIRAIとi3で、こちらも申込み枠がかなり早くから埋まっていた。 (丹羽 圭@DAYS)
 

【試乗インプレッション】 トヨタ MIRAIとBMW i3

トヨタ MIRAI
人とくるまのテクノロジー展 2014 名古屋では、電動自動車の公道試乗が用意されており、話題のトヨタ MIRAIとBMW i3に、ほんのチョットずつだが試乗することができた。 11日付けの中日新聞によれば、MIRAIには年間販売目標の400台をはるかに越える注文がすでに入っているという。あるディーラーでは個人客が3割もあり、水素ステーションのない県でも注文があるとのこと。そこでトヨタは年間700台の生産能力を、2015年末には2000台に引き上げるための準備に入った、と同新聞は報じている。また、2015年秋には初めてセブン-イレブン併設の水素ステーションが愛知県刈谷市にできるという。いよいよ水素の時代が来つつある?
 
BMW i3
そんなMIRAIの試乗だが、シフトレバーはいつものプリウス風。試乗した感覚も、加速感や乗り心地などはプリウスにかなり近いものだった。燃料電池が発電を始めてもエンジンのように振動することはなく、モーターによる走行のままなので、そこはプリウスとは異なる。とはいえプリウスに乗り慣れた人であれば、ほとんど違和感はないはず。足踏み式のパーキングブレーキなどの使い勝手も同様。ただ、室内の広さはプリウスには及ばない。2人乗りの後席はもちろん、運転席もかなりタイトだ。
 
それに対してi3は、コラムにあるシフトセレクターの形状、電動パーキングブレーキ、iDriveなどの操作系が斬新。ダッシュボードは植物樹脂のような素材でできており、一般的なメーターもなく、タブレットのようなものが2つ乗っかっている。なんだかかなり新しい感じがする。走りは相当にパワフルな印象。それでありながら、減速したい時には回生ブレーキによってアクセルペダルを戻すだけでブレーキングできるから、これまでのクルマとはちょっと違う運転感覚だ。運転しづらいと思う人もいるだろう。しかし慣れてくると、アクセルペダルだけで動きをコントロールできて、これは面白いなあと思えてくる。こういう感覚から新しいドライビングプレジャーが生まれるのだろうか。 日本車のFCVがコンサバティブで、ドイツ車のEVがアグレッシブ。ガソリン車でなくなっても、両国のクルマづくりにおける違いは、やはりこれまでのように続いていくのか、と思わせる試乗だった。 (水野誠志朗@DAYS) ■外部リンク 人とくるまのテクノロジー展 公式HP
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1480

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>