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トヨタ、新型コンパクトSUV「C-HR」を発売:MOTOR DAYS ピックアップニュース

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トヨタ自動車は2016年12月14日、新型コンパクトSUV「C-HR」を発売した。新車発表会が行われた同社の名古屋オフィス(ミッドランドスクエア)からレポート。

TNGAの第2弾

C-HRは2016年3月のジュネーブモーターショーで発表された、トヨタにとっては久々とも言えるコンパクトSUV。現行プリウスに続いて、同社の新しい開発手法であるTNGA(ティーエヌジーエー=トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー)を採用しており、プラットフォームはプリウスと共通。ただしアンダーボディの一部を専用品とすることで、着座位置やアイポイントが120mmほど高いクロスオーバーSUV用ボディを実現している。

こだわったのは「デザインと走り」

コンパクトSUVに求められるのは「デザインと走り」という市場調査にもとづき、走りについては、欧州各国の道を徹底的に走り込み、「レスポンス」「リニアリティ」「コンシステンシー(車速、横G、路面状況などに影響されない一貫した応答性)」の実現を目指したという。特に独ニュルブルクリンクのオールドコースや、その近くにあり、ブラインドコーナーが連続するカントリーロード「L74」で、開発コンセプトの「我が意の走り」を追求したとする。
 
デザインについても、初期のアイディアスケッチを市販車で実現することにこだわった。ダイアモンドをモチーフにしたシャープな造形やライン、同クラスSUVで全高に対する比が最も大きいという大径タイヤ(17および18インチを設定)、同クラスSUVで最も寝かせたというリアウインドウなどで、クーペのようなスタイルとしている。 ボディサイズは全長4360mm×全幅1795mm×全高1550mm(FF)/1565mm(4WD)。プリウスより180mm短く、35mm幅広く、80mm背が高い。

1.8Lハイブリッドと1.2Lターボの2本立て

小西良樹チーフエンジニア(左)と古場(こば)博之主査
パワートレインは、プリウス譲りの1.8Lハイブリッド(システム出力122ps)とオーリスT120譲りの1.2L直噴ターボ(116ps、185Nm)。 ハイブリッド車の場合、現行プリウスには後輪をモーターで駆動する電気式4WD「E-Four」もあるが、C-HRはFFのみ。開発スタッフによれば、プリウスより車重が重いC-HRの場合(ハイブリッド車で1440kg)、より強力なモーターが必要と判断しており、少なくともプリウスのE-Fourをそのまま搭載する予定はないという。ハイブリッド車のJC08モード燃費は30.2km/Lだ。
 
ターボ車に関しては、欧州向けにはFFや6MTもあるが、日本向けはCVT(無段変速機)と電子制御4WD(ダイナミックトルクコントロール4WD)の組み合わせのみ。開発スタッフによれば欧州で評価が高いのはFFの6MTだそうで、日本でも要望があればぜひ導入したいとのこと。 なお、オーリスの1.2ターボはハイオク仕様だったが、C-HRではレギュラー仕様に変更されている。JC08モード燃費はハイブリッド車の約半分の15.4km/Lだ。
 
安全装備については、ミリ波レーダーや単眼カメラを備えたTSSP(トヨタ セーフティ センスP)を全車に標準装備。また、プリウスでは採用されなかった電動パーキングブレーキが採用されているのも目立たないが大きなポイント。

プロジェクトネームがそのまま車名に

車名C-HRはもともとプロジェクトネームで、Compact High Rider もしくはCross Hatch Run-aboutが由来。プロジェクトネームがそのまま車名になるのはトヨタでは異例とのことで、また「他社のモデル名(ホンダ HR-VもしくはCR-Vのことだと思われる)と似ていると社内でも言われたが、(こうした経緯があるので)それは覚悟の上(笑)」(古場主査)でそのまま採用したという。
 
販売チャンネルはトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の、つまりトヨタ全店。月販目標は6000台だが、すでに受注は2万9000台だという。 国内およびオーストラリア向けの生産は、トヨタ自動車東日本の岩手工場。すでにトルコ工場でも生産が始まっており、欧州市場など海外向けはこちらで全量を担うとのこと。将来的には100ヵ国以上で販売する予定。 価格は1.2Lターボ車(4WD)が251万6400円~、ハイブリッド車(2WD)が264万6000円~。ライバル車はホンダ ヴェゼル、マツダ CX-3といったあたりだ。

1.2ターボ車とハイブリッド車にプチ試乗

発表会の後、チョイ乗りではあるが、1.2ターボ車とハイブリッド車の両方に試乗できた。 まず1.2Lターボ車。走り始めて思ったのは、見切りがよく、クルマがコンパクトに感じられて、とても運転しやすいということ。全幅が1795mmもあるが、感覚的には5ナンバーくらいに感じる。パワートレインに関しては、予想通りオーリス120Tとよく似た感じだが、C-HRは4WDということもあって車重がオーリスより170kgほど重い分、ややまったりした印象だった。静粛性は高い。
 
リアシートでも過ごしてみたが、スペースや座り心地、乗降性には不満なし。ただしフロントシートの背もたれが大きいのと、サイドウインドウがクーペ的に小さいので、閉塞感はそれなりにある。往年のセリカみたいだ。 次に乗ったハイブリッド車は、まず「あ、プリウスと同じだ」と思ったが、出足はC-HRの方が力強い感じ。プリウスより車重が50~70kgほど重い分、最終減速比をローギアード化しているのが効いているのかも。パワーの出方も、走り重視に振ってあるという。
 
欧州車レベルに仕上げたというハンドリングの真価については、街中では体感できず。ステアリング操作に対するレスポンスやリニアリティについても、少なくとも低速域ではトヨタ車らしく穏やかな印象だった。このあたりはいずれちゃんと試乗して確認したい。

DAYSのコメント

多くの場合、デザイナーが描いたカッコいい絵も、実車になるとすっかり情けなくなってしまうものだが、C-HRは初期のアイデアスケッチのまま。むしろグリルレス風になった分、よりカッコよくなっている。クルマはやっぱりカッコよさがキモなので、これは売れるだろう。 また、「思うように理想のクルマを作れた」という、まさに開発者冥利に尽きる稀有な新型車であり、それが可能になったのは章男さん体制が着実に成果を上げているということなのだろう。そして「クルマは道が作る」と言ってきたトヨタが、いよいよグローバルモデルを日本でも売るという方向へハンドルを切り始めた。
 

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