トヨタ自動車は2016年12月14日、新型コンパクトSUV「C-HR」を発売した。新車発表会が行われた同社の名古屋オフィス(ミッドランドスクエア)からレポート。
デザインについても、初期のアイディアスケッチを市販車で実現することにこだわった。ダイアモンドをモチーフにしたシャープな造形やライン、同クラスSUVで全高に対する比が最も大きいという大径タイヤ(17および18インチを設定)、同クラスSUVで最も寝かせたというリアウインドウなどで、クーペのようなスタイルとしている。
ボディサイズは全長4360mm×全幅1795mm×全高1550mm(FF)/1565mm(4WD)。プリウスより180mm短く、35mm幅広く、80mm背が高い。
ターボ車に関しては、欧州向けにはFFや6MTもあるが、日本向けはCVT(無段変速機)と電子制御4WD(ダイナミックトルクコントロール4WD)の組み合わせのみ。開発スタッフによれば欧州で評価が高いのはFFの6MTだそうで、日本でも要望があればぜひ導入したいとのこと。
なお、オーリスの1.2ターボはハイオク仕様だったが、C-HRではレギュラー仕様に変更されている。JC08モード燃費はハイブリッド車の約半分の15.4km/Lだ。
安全装備については、ミリ波レーダーや単眼カメラを備えたTSSP(トヨタ セーフティ センスP)を全車に標準装備。また、プリウスでは採用されなかった電動パーキングブレーキが採用されているのも目立たないが大きなポイント。
販売チャンネルはトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の、つまりトヨタ全店。月販目標は6000台だが、すでに受注は2万9000台だという。
国内およびオーストラリア向けの生産は、トヨタ自動車東日本の岩手工場。すでにトルコ工場でも生産が始まっており、欧州市場など海外向けはこちらで全量を担うとのこと。将来的には100ヵ国以上で販売する予定。
価格は1.2Lターボ車(4WD)が251万6400円~、ハイブリッド車(2WD)が264万6000円~。ライバル車はホンダ ヴェゼル、マツダ CX-3といったあたりだ。
リアシートでも過ごしてみたが、スペースや座り心地、乗降性には不満なし。ただしフロントシートの背もたれが大きいのと、サイドウインドウがクーペ的に小さいので、閉塞感はそれなりにある。往年のセリカみたいだ。
次に乗ったハイブリッド車は、まず「あ、プリウスと同じだ」と思ったが、出足はC-HRの方が力強い感じ。プリウスより車重が50~70kgほど重い分、最終減速比をローギアード化しているのが効いているのかも。パワーの出方も、走り重視に振ってあるという。
欧州車レベルに仕上げたというハンドリングの真価については、街中では体感できず。ステアリング操作に対するレスポンスやリニアリティについても、少なくとも低速域ではトヨタ車らしく穏やかな印象だった。このあたりはいずれちゃんと試乗して確認したい。
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