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ホンダは2014年12月1日、新型車「グレイス」を発表した。中部地区での発表会は、ウェスティン名古屋キャッスル(名古屋市西区)で行われた。
小型4ドアハイブリッドセダン
新型グレイスは、フィットハイブリッドの「スポーツハイブリッド i-DCD」を使った5ナンバーサイズの4ドアコンパクトセダン。現行フィット、ヴェゼルに続く、ホンダの新世代コンパクトカーの第3弾であり、また、アコードハイブリッド、レジェンドに続く「Earth Dreams セダンシリーズ」の第3弾でもある。
プラットフォームについても現行フィットと多くを共有するが、ホイールベースは70mm延長されて2600mmに。ボディサイズは全長4440mm×全幅1695mm×全高1475mm(4WDは1500mm)と、きっちり5ナンバー枠に収まっている。
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(photo:Honda)
後席の広さは「アコードに匹敵」するとのこと。また、座面クッションは分厚く、背もたれの角度が比較的寝ているため、ゆったりとした姿勢で座ることができる。
また、リアに駆動用リチウムイオンバッテリーを積むにもかかわらず、トランク容量は430Lを確保。また、後席背もたれは左右分割で倒れ、トランクスルーも可能だ。
なお、このクラスのホンダ製4ドアセダンと言えば、初代フィットベースの「フィットアリア」(2002~2009年)があった。同モデルはタイ製(現地名シティ)を日本向けに輸入したものだったが、今回のグレイスはフィットやヴェゼルと同じ埼玉製作所・寄居工場で生産される日本製になる。
価格は195万円~。インサイトの代替需要も見込む
パワートレインは基本的にフィットハイブリッドと同じ1.5リッター直4ガソリンエンジン、7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)、リチウムイオン電池などで構成される「SPORT HYBRID i-DCD」。フィットやヴェゼルハイブリッドでリコールとなった問題は全て解消されているという。
JC08モード燃費はフィットハイブリッド(27.6~36.4km/L ※4WD車を含む)とほぼ同等で、FF車が31.4~34.4km/L、4WD車が29.4km/L。4WDはフィットと同じ軽量コンパクトなビスカスカップリング式になる(ヴェゼルの4WDはそれとは異なり、電子制御式のリアルタイムAWD)。
グレードはDX、LX、EXの3種類で、価格は195万円~240万9800円。直接のライバルはカローラアクシオ ハイブリッド(JC08モード燃費33.0km/L、198万円~)、あるいはプリウス(同30.4~32.6km/L、223万2000円~)あたりになる。
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こちらは発表会場にあった新型レジェンドとアコードハイブリッド
なお、純エンジン車は海外にはあるが、国内への投入計画は今のところない様子。少なくとも当面はレジェンド、アコード、グレイスのハイブリッドセダン3兄弟の訴求に注力する構えだ。
国内の販売目標は月3000台。これはフィットアリア発売時の目標2000台の1.5倍だが、この数字には今年3月に販売終了した2代目インサイトの代替需要も見込まれている模様。
デイズのコメント
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雨の中、短時間だが、試乗できた。昨年乗ったフィットハイブリッドより明らかに静かで、加速も心なしか滑らか。乗り心地もよく、上質感は確かにある
記者発表が始まる前の会場に、3代目シビック(通称ワンダーシビック)のCMで使われたサッチモことルイ・アームストロングの“What a Wonderful World”が流れた。テレビCMにこれを使うとなれば、ちょっと涙モノでしたが、実際には違うシンガーのカバーバージョンで、ややインパクトに欠けました。ワンダーシビック世代もすっかり歳を取って今はセダン回帰。で、このクルマということになるようです。これでレジェンド、アコード、グレイスとハイブリッドセダン勢揃いのホンダですが、あとはアコードかグレイスのワゴンモデルがあるといいなあと思います。アクティブシニアだと、セダンではやや物足りない様に思えるので。
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(photo:Honda)
■参考記事
・
新車試乗記>ホンダ フィット ハイブリッド (2013年11月掲載)
・
新車試乗記>ホンダ フィット アリア (2003年1月掲載)
■外部リンク
ホンダ>プレスリリース>グレイスを発表(2014年12月1日)